2017年3月23日 「燈」ランプのステンドグラスパンネル |
今回制作したステンドグラスはお客様から「 ランプ 」のデザインで!との指定がありました。作品を創るうえでどのようなデザインで どのようなガラス素材を使いどのような表現にするか、これを考えるのが主な仕事です。今回はテーマがはじめから示された訳です。 ヒントもいただきました、 燈 「ひとたびあかりがともされるや闇は後方へとしりぞいて行く。」の言葉を添えてありました。 闇に浮かび上がるランプの光をイメージして今まで使う機会がなかったロンデルグラスを中心に具体的なランプの絵をブラックonクリアー のフラッシュグラスをサンドブラストで表現しました。ロンデルグラスはまだ板ガラスを作る技術はなかった時代、吹きガラスで円盤状の ガラスを作りそれをつなぎ合わせてガラスのパネルを作り窓にはめ込み採光したものです。ステンドグラスの原型とも言えますが個性が 強く使いにくい側面も感じていましたがこのデザインにはピタリとはまりました。 |
一つ一つ宙吹きで手作りされたガラスは予想通り魅力的な光の変化を演出してくれます。 |
見る位置と差し込む光によって刻々と変化するステンドグラスの世界です。 |
無事、重量感あふれる梁下の壁面に収まりました。 ランプと山小屋の響きから山のステンドグラスの仲間入りです。 |
2011年10月制作 上高地 嘉門次小屋のステンドグラス |
上高地嘉門次小屋様ご依頼のステンドグラスパネルを制作しました、入口上の欄間部分です。ありがたいお話ですがステンドグラスらしい色とデザインでは 歴史と環境を考慮すると場違いです。作品のイメージは小屋の前を流れる清流の水面からヒントをいただきました。生け簀からもれた岩魚が悠然と泳いで いるその流れは 小屋の風景です。メインのガラスはドイツで作られた吹きガラスで意図的に入れた気泡や歪みが光を屈折させて水面そのものに見えます。 |
屋根のひさしも、外の木々風景も ガラスの歪みなりに変化しています。 |
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ステンドグラスと言えば美しい色ガラスですが ここでは最小限の色をアクセントに使用しました。 |
冬のガラス風景、12月31日木々の葉も落ちた上高地です、10月で営業は終わっていますが除雪、管理のお手伝いでお邪魔しました。 |
12月31日、徐々に雪に閉ざされ静かな 佇まいのままで春を待つ嘉門次小屋です。 |
1981年制作 白馬大雪渓の春 |
ステンドグラスパネル 白馬大雪渓の春 340×780mm 山スキーを始めた頃よく通った白馬岳周辺、 ガラス作品のデザインの多くは大自然からの 贈り物です。 |
2015年1月08日 槍ヶ岳の窓 |
山のステンドグラスシリーズ(1)は槍ヶ岳。ステンドグラスの制作はガラスの美しさを伝えることが全てと 考えていますが、そこで重要になるのがデザインです、ガラスを生かすか殺すかは作者のセンスにかかって 来ます。このパネルは一辺が15cm余りの小品です、サイズに関係なく見ごたえのある作品を創るのです。 自然の風景からいただいたシンプルな絵柄に深い味わいのあるアンティークグラスはやはり美しいです。 |