ステンドグラスパネルの施工 |
2014年新年初仕事はステンドグラスパネルの取り付けを行いました。 長野県北信地方の公共施設です。 この作品は、公共の施設と言うことで、施主様(建設委員会) と設計サイドの意向を反映したデザインで、北信五岳と 青い空がモティーフになっています。 ※ 北信五岳 黒姫山 戸隠山 飯綱山 斑尾山 妙高山 |
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現場は吹き抜けの高い位置です、壁の下地の行程中に 施工させていただきました。高い所は足場がある内でないと どうにもなりません。 取り付けたら破損しない限り取り外しはないので外側のFIX ガラスを入念にクリーニングします。 |
現場では大工さんの協力なくしては仕事が成り立ちません。 開口部への納め方や下方から見やすいように下枠の角度を 付けたり、良い仕事をしていただきました。 |
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入念な打ち合わせの賜物、無事取り付け終了。 |
無事取り付けは終わりましたがステンドグラスとして完成では有りません。 このシンプルなデザインは、壁面が仕上がり外からのさまざまな光を受けて 輝き、周りの壁面に透過した光が映された時完成となります。 この作品制作で私が設計サイドにお願いしたことは光を透過するアンティークグラス を使用することくらいでした。 ※ 完成しましたらグラスプラネットのページで紹介させていただきます。 |
ステンドグラスパネルの取り付けの後日、他の案件で 現場を訪れました。なんとそこに見たのはステンドグラスを 透して壁に描かれた光の文様でした。 |
ステンドグラスの由来は諸説ありますが、一つに宗教の力、神への思いと金そして時間で完成されたガラス芸術であることは疑いありません。 聖書の物語をガラスで表現して字の読めない人にも視覚で伝え、さらに神のイメージを具体的に体感出来る様に荘厳さを演出できるるツールを発見した事です。 思わず光の美しさに手を合わせてしまいそうです。それにしても予想を超えてこのように美しい光が写し出されるとは思いませんでした。 |
朝日に照らさて浮かび上がった光のタブロウは時間とともに形を変え、やがて午後には向かいの壁面に場所を変え、日が遮られれば消えさる運命なのです。 |
ステンドグラスを鑑賞するには条件の悪い環境、高い位置と狭い空間、それが逆に活かされたのは、 施主様と設計、製作で考えを出し合って決めたシンプルなデザインによる所です。 |
矢羽根文様のパネル制作 |
矢羽根の本物です、これを参考にしてガラスを探します。 | ワシントン条約などで今は入手困難な羽根もあると聞きますが、見ているだけできれいです。 |
矢羽根文様のデザインと型紙ができたら ガラスカットの定規を作ります。 左右対称なので透明の塩ビ版を使います。 |
ガラス取りの行程です、 ガラスの流れをデザインに利用します。 ステンドグラスの仕事はデザインとこのガラスの選択が重要で、これができれば創造的な所は終わりです。 |
ガラスをカットして鉛桟組みの行程。 |
半田を流してパテの詰め込み。 | 半田面を着色して余分なパテを取り、ナチュラルなワックスで仕上げます。 |
アンティークグラスのステンドグラスの完成です。アンティークグラスは中に封じ込められた気泡や 意図的に入れられた表面のテクスチャーが光の透過によって、作り手の意図をはるかにこえた効果をもたらすのです。 |