小口研治の気まぐれガラス日記12  2014年7月11日 看板制作物語

 TRUG小町の看板   看板制作の物語です。

  1月にお話しをいただいて5月に完成した

  鎌倉「 RUG小町」様の看板です。


  当初は金属での制作依頼でしたが、

  取り付が庇の部分になり暗く目立たない

  ので、ガラスも使用する事になりました。

  ステンドグラスの制作者としては提案しない

  訳にはいきません。
 まずは大事なロゴと素材の確保です。よくある事ですが、最終のイメージが出来上がる前からのスタートになりました。
 看板のロゴ         素材の確保
アンティークグラスは外せません、確保しました。         アンティークグラスをサンドブラストしたですが結果的に却下。
アンティークグラス赤         アンティークグラスのT
 こちらはヒュージングでを溶着。           アンティークグラスは赤が目立たずヒュージングを採用。
    ヒュージングのT        ガラスの溶着
 RUG 小町のサンドブラスト、ガラスは現在は入手困難な黒べラ板を使用。
 黒べラ板のマスキング
べラ板は透明のガラスに色ガラスを溶着した被せガラスです。
 べラ板                           べラ板のコバ面
 RUG 小町をブラスト後、ふたたびマスキングをして(銀の部分)から。  Tの文様のマスキングをします。
 文様のマスキング  マスキングシート
 マスキングの完成   マスキング完了。
ブラスト面の処理    ブラスト面の処理剤のテスト。
 TRUG 小町ガラスの完成です。
 ガラスロゴの完成
                ステンドグラスの組立で外周をh型鉛を使用。       鉛の納まり幅が少ないので薄手のアンティークグラスを選びました。
 h型鉛                   ステンドグラスの組立
 鉛とコパーホイルで組み上がりました。
 ステンドグラスの組み上がり
光りが入ると看板らしくなりました。 
 バックライト

   つぎは、ステンドグラスに組み上げたガラスロゴを納める金属枠の制作です。

ステンドグラスと金属の仕事のコラボレーションは相性も良くたくさん経験して来ました。

当然、図面やスケッチ、モデルなどを制作して金属工芸のプロに依頼して来ましたが

今回は最終的なイメージが定まらないままのスタートとなり全て自分で作ることとなりました。

溶接の技術は若い頃自動車メーカーで経験はあり知識としては分かっているつもりでしたが

大企業で使っているような性能の良い機械はありません家庭用に毛が生えた程度の代物です。

 金属素材   とりあえず金属素材として、鉄の角パイプとバー、

  銅板、補強の真ちゅうバー、h型の鉛をそろえました。


  変形の鉛などは20年前に仕入れたものでようやく

  日の目を見ました、気の長い話です。 

 外枠の溶接   外側の枠の溶接です、まずはテスト。

  金属は熱すると歪みます、頭では分かって

  いますが…。
 すったもんだ?しながら鉄の部分が仕上がりました。
 外枠完成
 ロウ付け行程   銅と真ちゅうのロウ付け、懐かしいガソリントーチも

  引っ張り出しました。結果、余りの歪みに修正を諦め

  半田付けに変更しました、プロはどう処理するのか

  知りたいもんです。
 真ちゅうネジのロウ付け   鉄枠に銅板を取り付ける真ちゅうネジのロウ付け、

  治具を作り垂直に溶着します。


  ネジの頭を隠すプチこだわり例。
 バックライトの制作   バックライトのカバーを薄い銅板で作ります。

  折り紙の要領で型を作り、半田とリベットで

  接着、補強して完成。
 組立、電装したバックライト。
 完成、裏面
 きれいな溶接の仕上がりは無理とあきらめ、逆に補強をデザイン的に際立たせて、ちょっとヘビーメタル系にアレンジ…。
 補強デザイン                 補強デザイン
  TRUG小町 看板の完成、ロウ付けをした時の熱で変色した銅の色が良い感じの古美となりました、

時が経って鉄の錆びや銅の緑青が出てくればまた趣が増し良い変化が期待できると思います。
 看板の完成
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