山岳ガイド山岳ガイド小口研治田村まゆみ山岳ガイドの山岳ガイドの山日記b23山岳ガイドの山日記2  2016年7月30日〜31日  中央アルプス 空木岳ガイド

 檜尾岳山頂    駒ヶ岳ロープウエイの始発に乗り千畳敷へ、

  少しぱらつく雨の中の急登を極楽平に、ここから

  長い稜線歩きの始まりとなりました。

  濁沢大峰を経て檜尾岳山頂です、本日の7時間

  余りの行程の中、桧木尾橋へのエスケープルート

  が取れる分岐です、10分ほど下れば檜尾避難小屋

  があります。
 先行するツアーパーティー    先行する2つのツアーパーティーが大きなアップダウン

  の続く稜線を良いペースで進んで行きます。
岩場の乗越    岩場に打ち込まれた鉄製の足場を頼りに

  前を行くメンバーの足の置き場を確認しながら

  の緊張した場面となりました。
痩せ尾根の通過    痩せ尾根が続く稜線、安全な場所での

  すれ違いや追い越しが繰り返されました。
熊沢岳山頂    本日の行程も2/3ほど歩き熊沢岳に着きました。

  時折見える青空に気分も軽くなるようです。
東川岳山頂    本日の行程最後に踏むピーク、東川岳

  今日の宿泊小屋木曽殿山荘まで下り20分

  ほどとなりました。
木曽殿山荘    順調なタイムで木曽殿山荘着

  木曽殿の殿は木曽義仲のこと。

  100名余り収容できる山荘は

  完全予約制でこのルート走破の

  要となりハイシーズンの入山を

  ある程度コントロールする役目に

  なっています。

  小規模ながら考えられたシステム

  と整備された環境を提供している

  快適な小屋でした。
 中央の右下に見える木曽殿山荘を後に本日のハイライト、1時間30分余りの空木岳への急斜面の登りが始まりました。
 空木岳の登り
 空木岳の岩ゴロ地帯    高度が増すにつれ岩の登りが多く

  なってきます。
 岩の稜線    青空の下、折り重なるような大岩の間を

  すり抜けたり乗り越えたり、空木岳の登山で

  で一番ダイナミックな登りを味わえる所です。
山頂着     7時44分全員無事山頂着

  タイミング良く、梅雨明け最初の

  晴れ間に登ることができました。

  皆さまお疲れ様でした。
        シーズンにそうはお目にかかれないほどの晴天になりました。霞のような雲海に島のように浮かびあがる

南アルプス連峰のシルエット。右側チョコンと尖った塩見岳の後ろに富士山の頭が見えています。
 南アルプス遠望
 空木岳までの稜線も長いのですが下山はもっと長く感じます。駒峰ヒュッテから20分ほど下った位置にある駒石、左奥には八ヶ岳、

景色の良い尾根コースもやがて樹林帯帯に入ると眺望もなくただひたすら高度を下げるのみ、印象的な名前の小地獄、大地獄も単調

      な下りにはちょっとしたアクセントになって良いかもしれません。池山小屋分岐の水場で喉を潤してあとは林道の終点までひたすら下るのです。
 駒石

               山岳ガイド山岳ガイド小口研治田村まゆみ山岳ガイドの山岳ガイドの山日記b23山岳ガイドの山日記2  2016年7月23日〜24日 八ヶ岳 赤岳 ガイド

 美濃戸山荘    八ヶ岳登山口の美濃戸山荘に前泊しました。

  普段なかなか宿泊する機会のない立地ですが

  美味しい食事他サービス満点で快適でした。
 中岳稜線    登りは南沢にルートを取り行者小屋から

  中岳のコルへ、稜線のあちこちに高山植物

  が咲き始めの鮮やかな色合いで登山者の

  足を止めていました。
 オニク    稜線にはミヤマハンノキやミヤマヤシャブシの

  根に寄生するオニク(ハマウツボ科)が暗紫色の

  顔をニョキリと出していました、久々に目にした

  異形の植物です。

  ※画像は他日撮影した物です。
 ミヤマミミナグサ    ミヤマミミナグサ(ナデシコ科)

  名前は葉がネズミの耳に似ている所から。
中岳下り    稜線上の小高い小ピークの中岳を下り

  文三郎尾根分岐に向かいます。
 高山植物の女王と称されるコマクサの見事な大株です、開花時期の長い花ですがやはり咲き始めは鮮やかで目にも新鮮の映りました。
 コマクサ
 赤岳山頂に至る岩場の続く最後の登り、高度を上げるほど傾斜を増し緊張の連続となりました。
 最後の岩場
 赤岳山頂    稜線に出て梯子を登れば赤岳山頂です

  まずはお約束の記念証拠写真です、最近は

  スマホにデジカメが主流になって各自カメラ

  に収めるためにガイドとスタッフは山頂での

  カメラマンと順番整理も大きな仕事です。
 赤岳山頂2899m    お天気もまずまずで薄っすらとガスの湧いて来た

  山頂を後にしました。今日はこだわりのメニューが

  評判の赤岳鉱泉泊、皆さまお疲れ様でした。
                山岳ガイド山岳ガイド小口研治田村まゆみ山岳ガイドの山岳ガイドの山日記b23山岳ガイドの山日記2  2016年7月17日〜20日 加賀 白山 ガイド

 白山山頂    7月17日 白山登山口の別当出会で予報通りの雨、

  砂防新道を登り室堂を経て御前峰へ、残雪ながら

  ガスと雨の中予定のお池巡りは中止となりました。
 クロユリ群生    室堂に下山後と翌朝に声をかけることができた

  希望者をお池巡り最後の雪渓付近のクロユリ群生地

  に案内しました。悪条件の中の登頂のなってしまい

  ましたが一面に広がるクロユリの大群生に皆さま

  大満足の様子でした。
甚之助避難小屋    7月18日天気も回復し熱い日差しとなり昨日目に

  出来なかった景色を堪能していただきました。

  下山はエコーラインを周り再び砂防新道へ、甚之助

  避難小屋は多くの登山者でいっぱいです。
クロボコ岩へ登り    7月19日 白山登山後半グループです。

  お天気は最高、稜線のクロボコ岩目指して

  最後の急斜面の登り、途中の延命水で力を

  つけ頑張りどころです。
 御前峰直下からの弥陀ヶ原と室堂平全景白山も残雪は例年よりかなり少なく風景のコントラストとしては残念でした。
 弥陀ヶ原と室堂平
 御前峰    穏やかな山頂、記念写真撮影も余裕です。
 ハクサンコザクラ    子供が描いたハートのような花びらが

  何とも可愛いハクサンコザクラ。
 ハクサンコザクラ群生地    ハクサンコザクラの群落がクロユリと

  同じくあちこちで見ることができました。
 沈みゆく太陽と輝く雲海、余りの美しさにただ見入るばかり、苦しい登山の後の至福の時なのです。
 日没と雲海
 大きく存在観あふれる御岳山、その後ろに連なる南アルプスの峰々。
 シルエットの御岳山
 池に月    室堂ビジターセンター前の池に

  月が揺れていました。明日は熱い

  下山となりそうです。
 ツノハシバミ    別当出会まで30分ほどの位置にある

  休憩ポイント中飯場、見上げると何やら

  ぶら下がっています、ヘーゼルナッツの

  仲間のツノハシバミの実でした、食した

  ことはありませんが美味しいそうです。

  そんな話をしながら別当出会いの吊り

  橋が見えて来ました、皆さまお疲れ様

  でした。

                山岳ガイド山岳ガイド小口研治田村まゆみ山岳ガイドの山岳ガイドの山日記b23山岳ガイドの山日記2  2016年7月13日〜15日 薬師岳〜五色ヶ原

 折立登山口    薬師岳登山口

  折立から五色ヶ原〜立山を歩きました。
 モウセンゴケ    太郎坂を登り始めると予報通り雨が落ちて来ました。

  登山道脇に雨の雫をためたモウセンゴケがキラキラ

  光っています。
太郎平草原    記憶にあった太郎坂の泥道はさほどではなく高度を上げると

  やがて森林限界を抜け歩きやすい木道です。
タテヤマリンドウの蕾    木道脇にはタテヤマリンドウのァメンボウ姿が。
 タテヤマリンドウ、雄しべと雌しべの色合いと花びらの模様が印象的です。
 タテヤマリンドウ
 薬師峠のキャンプ場です、テントは我々の一張りのみ、3日間雨の予報ではロングルートに入る物好きはいません。
 薬師峠キャンプ場
乾杯     明日の行動予定は13時間、無事を祈って乾杯!
薬師岳山頂    8月14日最初のピーク薬師岳

  ガスも濃く眺望はまったく期待できません。
薬師岳〜北薬師岳〜間山を越えてスゴ乗越に着きました、ここから越中沢岳まで強烈な急坂の直登です。 
 スゴ乗越
 越中沢岳山頂    越中沢岳 2591m

  変わらずの雨と風、ガスも濃くもうお手上げ。
 鳶山山頂    ようやく鳶山(とんびやま)に着きました。

  あと一時間でテン泊予定の五色ヶ原です。
 木道に入り一瞬ガスがとれて五色ヶ原と山荘が見えた時はほっとしました。薬師峠のテン場から歩き始めてすでに13時間が経っています。
 五色ヶ原
 五色ヶ原キャンプ場    五色ヶ原キャンプ場

  今日もテントは我ら一張り、夜は予報通り流されるかと

  思うほどの土砂降りの雨、おかげで喉風をひきました。

 ザラ峠     7月15日歩き始めから雨

  歴史とロマンの峠と言われるザラ峠

  雨と風に打たれっぱなしの我らには

  ロマンどころではありませんでした。
獅子岳山頂    獅子岳2741m
ヒメイワショウブ    雨の中、カメラを取り出すのもおっくうになりますが

  せめて雨の日らしい写真をとの思いでシャッターを

  切りました。ヒメイワショウブに着いた水滴。
 イネ科の植物の茎に並んだ水滴が妙にきれいに見えました。
 水滴
 記録的に雪の少ないシーズンでしたが残雪は残っています、小屋の方々の尽力でしっかりと雪切りがされており通過には問題ありませんでした。
 残雪の通過
 鬼岳東面     鬼岳東面着
 雪渓の登り    階段状に雪切りした急傾斜の雪渓の登り。

  雪切りがなければアイゼンなしでは通過

  困難な所です。
あと2時間30分で龍王岳


  立山が近くなってきました。
一ノ越着    12時46分一ノ越着、室堂まで45分

   長かった〜〜。
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