2016年7月4〜5日 中央アルプス空木岳 |
登山ハイシーズンを前に梅雨の中央アルプスを 歩きました。駒ヶ根の菅ノ台バスセンターから 駒ヶ岳ロープウエイで千畳敷へ、平日の月曜日 にしては多くの登山者の列ができていました。 |
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ガスで視界の悪い中、極楽平の稜線へ。 |
今回の計画はバスセンター7:15の始発、千畳敷8:30出発〜檜尾岳〜熊沢岳〜東川岳〜空木岳〜駒峰ヒュッテ〜空木平避難小屋 泊 コースタイムで5:50です。雨と風が強ければプラス1時間とみて、明るいうちに避難小屋につければOK、予想通り怪しい雲行きです。 まずは檜尾岳ピーク、10分ほど下ると檜尾避難小屋があり悪天時には檜尾尾根をエスケープルートとして設定しました。 |
檜尾岳を過ぎると雨風も強くなり熊沢岳を越え東川岳辺りでは猛烈な雨、1回稲妻が光り雷が鳴ったときは肝を冷やしました。 木曽殿山荘で少々迷いましたが、駒峰ヒュッテの状況を小屋の方に聞き、水とビールを十分仕入れ空木岳に向かう急斜面の 連続に取り付きました。雨と吹き上がる強風でスピードは上がりませんがゆっくりペースをキープして山荘から1:30で山頂着。 長時間雨風に打たれての行動で気になるのは体温の低下です、低体温症対策として保温着を追加して着込み、手袋も保温性 のあるものに何度か替えてさらにに水分とエネルギーの補給を心がけて無事空木岳の山頂着を踏むことができました。 |
空木岳山頂から15分くらいで駒峰ヒュッテ 7月中旬オープンとの事でまだ使用不可。 入り口の土間に2畳ほどのスペースがあり 避難場所としては利用できそうです。 雨と風は収まるも終日視界無し、花を見るも 撮影する気にはならない一日でした。 |
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小屋手前の標識、あと45分で空木平避難小屋。 |
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この45分の長いこと! 避難小屋ちゃ〜く、思わずピンボケポーズ。 |
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空木平避難小屋。 |
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貸し切りの避難小屋は快適そのもの、 寝袋は持たないのでツエルトを張って 居住空間確保、清潔なトイレもあります。 |
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5日、少し視界が開け駒峰ヒュッテがガスの 合間から顔を出しました。ヒュッテと避難小屋 は地元の駒峰山岳会が運営しています。 避難小屋は一人1000円の利用協力金が 必要になります。 |
昨日はとても花どころではありませんでしたが お天気が良ければ花を楽しむ余裕も。 色目が渋いミヤマハンショウズル |
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たぶん、ウスギヨウラク(薄黄) | |
サラサドウダン(模様が更紗) 皆、ツツジの仲間です。 |
名前が恐ろしげな小地獄、大地獄の 鎖場通過、樹木で隠れていますが 痩せ尾根で通過には注意が必要です。 |
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登山口の林道終点着。 |
2016年6月27日 焼岳 |
梅雨の時期、貴重な好天とみて焼岳に登りました。 登りは新中の湯ルートで上高地に下山です。登りの 登山道は整備されているとはいえ、暗い針葉樹林に 続く泥道にはいつもながら閉口しました。 |
薄暗い針葉樹林帯も木漏れ日がさしこむころになると、ドキッとするほど美しいグリーンの濃淡に思わず足を止めます。 |
寒さで樹木の幹が割れる シラビソの凍裂。 |
森林限界を抜け山頂部を仰ぎながら快適な登りです。秋、この辺りのクロマメやナナカマドの紅葉とグリーンの笹原のコントラストは素晴らしいの一言です。 |
焼岳南峰と北峰のコル、いまだ生々しく残る御嶽山の記憶にやはり噴煙は気になります。 |
焼岳2444m山頂 ドピーカンの日差し対策、フェイスマスクは欠かせない アイティムとなりました。 |
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グルリ360度の山々が遠望できる山頂を 後に下山です、登山道脇の噴気孔がなんとも 気になリ慎重ながら気持ちは安全圏へ。 |
噴煙を背にガレ場を下る、ピンボケの2人。 |
上高地に無事下山です、お疲れ様でした。 |
2016年6月18日〜20日 御嶽山ライチョウ調査 |
すでに各メディアで報道された御岳山ライチョウ調査 に参加しました。 2014年9月27日の大噴火以来初めての生息調査に なります。長野県側からは王滝村側と木曽町側の登山口 から入山、岐阜県側からも一隊生息域を目指します。 まずは登山口で取材に応じる中村浩志先生(中村浩志 国際鳥類研究所代表理事) |
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2830m石室山荘直下、火山灰が降り積もっています。 |
2920m付近 雨で流され残った火山灰のまだら模様 |
ライチョウが好んで食べるクロマメノキやガンコウランが 降灰の影響で枯れています。 |
噴火によって大きな被害を受けた頂上と山荘の痛ましい姿に呆然とするばかりでした。 |
※ 画像は入山禁止区域外の地点から撮影したものです。 |
現在頂上付近は立ち入リが制限されています。二ノ池〜サイノ河原〜摩利支天は入山禁止区域となっています。 |
規制区間の立ち入りには特別な許可が必要にまります。 |
※ 2016年6月28日正午。御嶽山規制区間の一部が解除されました。 | |
一部解除区間は、黒沢口登山道9合目の山小屋「石室山荘」の500メートルほど先の地点から、 摩利支天乗越(まりしてんのっこし)までの約1キロ。御嶽山登山の魅力の一つと言われる二ノ池や 三ノ池、五ノ池などを巡ることもできるようになる。五の池小屋付近から下る小坂口登山道は 岐阜県側の登山口につながります。 |
規制が解除されたゲート先の二ノ池。灰が流れ込み池の水量が少なくなっています。 |
灰が迫る二ノ池、水もアルカリ度が相当高く 白濁していました。 |
二ノ池から山頂を望む、頂上周辺1km範囲は今も近づくことはできません。 |
日当たりのよい斜面にコマクサの蕾が顔を 見せていました。群生地も多くこれからが楽しみ な高山を代表する花の一つです。 |
コマクサの大きな株を見かけました、どんぶりを伏せた大きさで、たぶん60年?くらいは経っていると思われる大株。よく見ると葉もきれいです。 |
摩利支天山直下の五ノ池小屋 好天の土曜日ということもあり多くの登山者で 大賑わい、岐阜県側の調査隊も同宿しました。 |
摩利支天山から見下ろす三ノ池、深いブルーが印象的、周りを一周できます。 |
三ノ池周辺にはライチョウのなわばりが二つ確認できました。 |
登山道脇の餌場で食事中のライチョウの雄、1mくらい近づいても人を恐れず逃げません、不思議な鳥です。 |
抱卵中(卵を温めています)の雌、まったく逃げる気配がありません。 |
卵を確認のためちょっと失礼! |
6個の卵を確認しました。本来の天敵のオコジョに加え、キツネ、テン、サル、カラス他猛禽類と天敵だらけの厳しい環境です、無事育ちますよう! |
摩利支天山から北方向の継子岳周辺は火山噴火の影響は見られず ライチョウの生息には理想的な環境が残されていて、岐阜県側と共に いくつかのなわばりが確認されました。 |
19日早朝の継子岳山頂、美しくも天候の悪化を予感させるような雲行きです。 |
最終日、噴煙を上げる御嶽山、噴火によって犠牲になった方々のご冥福をお祈りすると共に、再び登山者で賑わう御嶽山に戻ることを願うばかりです。 |
調査後三岳村で記者会見があり多くの報道各社の取材が行われました。結果として火山噴火の影響は見られずなわばり数も減っていないことが確認されました。 |