山岳ガイドの山日記山岳ガイド小口研治田村まゆみ山岳ガイドの山日記c26山岳ガイドの山日記槍ヶ岳山岳ガイドの山日記3 2019年10月21日   第9回徳本峠フォーラム

   10月21日~22日第9回徳本峠フォーラムに参加しました。明神~島々線の登山道整備と
第61次南極地域観測隊員のやまたみガイド、赤田幸久氏の「南極の暮らしと野外活動」
の講演が行われました。主催は「古道徳本峠道を守る人々」です。
 嘉門次小屋囲炉裏    まずは、明神の嘉門次小屋で入山前の
  腹ごしらえをします。美味しいお蕎麦を
  いただきましたが、傍らの囲炉裏では
  鮮やか手順で岩魚の塩焼きが焼かれて
  いました。現在では、裸火での調理は
  許可されないようですが、嘉門次小屋は
  消防法が定められる以前からなので許され
  ているのだとか!貴重なのです。
 倒木処理       倒木処理班は登山道の倒木、水捌けや
  下草刈りなどの整備をしながら徳本峠
  に登ります。
 徳本峠フォーラム    第9回徳本峠フォーラム参加協力は、徳本峠小屋、環境省、長野県、
  自然公園財団上高地支部、信州まつもと山岳ガイド協会やまたみ
  日本山岳会信濃支部、松本市観光課、と古道徳本峠道を守る人々の
  取材を「山と渓谷社」が行いました。
 明神へ下山     10月22日、予定では、シーズン最後の
  道普請をしながら島々谷に下りる予定

  
でしたが、夜半からの雨の勢いをみて
  島々谷への下降は残念ながら中止となり
  明神へ危険木の撤去や水捌けを治しながら
  の下山となりました。
ガスの中から一瞬のあいだ姿を現した穂高、明神岳の稜線、白く冠雪が見られました。もう3000mは冬の訪れです。
 穂高、明神岳初冠雪

                  山岳ガイドの山日記山岳ガイド小口研治田村まゆみ山岳ガイドの山日記c26山岳ガイドの山日記槍ヶ岳山岳ガイドの山日記3  2019年10月9日  八峰キレット

   扇沢の柏原新道入口、迫る台風も二日間はお天気が良さそうな予報で、早々に駐車スペースが
埋まって行きます、まずはモミジ坂の急登を登り、稜線上の種池山荘を目指します。
 扇沢登山口                柏原新道入口
 柏原新道水平歩道    急登を登ればしばらくは水平歩道を
  トラバースぎみに、進む先にはくっきり
  と針ノ木岳に続く稜線が見渡せました。
 ポール使用    4時間余りで種池山荘着、今回は普段は
  使わないストックを使用してみました。
  最新のSiNANOのポール、軽量でテント泊
  の重い荷物には、バランスが取りやすく
  重宝しました。
 爺ヶ岳南峰   最初のピーク爺ヶ岳南峰
 爺ヶ岳中峰    爺ヶ岳中峰、何というドピーカンの
  青い空!雲一つ見当たりません、
  日頃の行いの良さを物語っています?
   爺ヶ岳北峰ピークはルートがないので下を巻き通過、正面にドーンと聳え立つ鹿島槍ヶ岳、明日これを越えるのです。
 冷池山荘へ
 赤岩尾根の赤い岩    稜線から大谷原に至るルートの
  赤岩尾根、その名の通りの赤い岩。
 冷乗越    大谷原分岐の冷(ツベタ)乗越
 2012年赤岩尾根冬     2012年12月30日
  思い出しました、仲間と登った冬の赤岩尾根
  高千穂平2049m辺り。
 冷乗越分岐までの最後の登り猛烈なラッセルで時間切れ、稜線に出て終了でした。  2012年12月30日 赤岩尾根はこちら→赤岩尾根HPへ
 最後の登り           深雪のラッセル  
 テン場で乾杯
  冷池山荘で水4Lとビールを仕入てテン場まで
  着いたと思った所から15分は辛い。
  冷池(ツベタイケ)のテン場にてともかく乾杯!
 昨年、ほぼ同じ日程で歩いた裏剱が良く見渡せます。  2018年裏剱縦走はこちら→裏剱HPへ
 立山三山劔岳遠望
 テント撤収して出発     晴天確率の高いと言われている
  10月10日、快晴、テントを撤収
  して鹿島槍ヶ岳南峰を目指します。
 富士山遠望
   くっきり浮かぶ富士山
   日本人はやっぱり富士山です。
 鹿島槍ヶ岳南峰を越え北峰へ、今日は五竜岳まで、歩きがいのある長い一日になりそうです。
 キレット全貌
 鹿島槍ヶ岳北峰    鹿島槍ヶ岳北峰は分岐にザックを置いてピストン。
 キレットへ下り    北峰からキレットまでの大下り、
  足場の悪い下りは結構消耗するのです。
 凍結    日影に滲み出した水が凍っています。
キレット入口表示板    ここから今日のルートの核心部
   八峰キレットの通過です。
キレットクサリ場    八峰キレット入口
キレット梯子    両側から迫る岸壁のあいだを通り
   梯子を登って通過。
キレット通過    暗い岩場の底から這い上がれば
  八峰キレットの通過終了です。
キレット小屋へ     ようやくキレット小屋に着きました、
  冷池山荘から五竜岳の中間点で、小屋は
  すでに営業は終わっていますが、五竜側
  からの登山者も休憩ポイントでお互い
  挨拶を交わして賑わっていました。
 口ノ沢のコル   口ノ沢のコル
 北尾根ノ頭   北尾根ノ頭、ここまでは順調に来た積もり
 でしたがここからが結構大変な行程でした。
 ちょっと見、どこ登るん?て感じの見上げるような岩山が重なっています。
 G5から五竜岳
 鹿島槍ヶ岳からキレットを超えて    振り返れば鹿島槍ヶ岳の双耳峰から
  連なるアップダウンの稜線、長い!
 五竜岳山頂分岐    最後の岩場を攀じれば五竜岳山頂への
  分岐です。重いザックが肩に食い込む
  ようです。
 五竜岳山頂    ヤッター!五竜山頂。
 五竜山荘     五竜岳山頂から見下ろす山荘
  山頂で気分的には終了しているので
  テン場までの40分は長く感じるのでした。
      小遠見から、爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳~五竜岳をふり返り見渡すことが出来ます、長かった~!
 爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳 八峰キレットから五竜岳
 遠見尾根の紅葉、本来の鮮やかさではないものの、まだら模様がなかなか良い感じです、左はベニサラサドウダン、右は実がなっていますが…?
 ベニサラサドウダン          紅葉と実
日当たりの良い斜面の紅葉は見事でした。 
 遠見尾根の紅葉

                   山岳ガイドの山日記2019年10月16日更新山岳ガイド小口研治田村まゆみ山岳ガイドの山日記c26山岳ガイドの山日記槍ヶ岳山岳ガイドの山日記3  2019年10月5日  島々谷登山道整備

 登山道整備     島々から上高地に至る徳本峠越えの登山道を
  整備する「古道徳本峠道を守る人々」に参加
  させていただきました。
 古道徳本峠道を守る人々     常に崩れているような安定しない
  斜面を安全に通過できるように削る
  作業です。
倒木撤去    倒木や落石の撤去、水溜りの水はけなど
  様々な作業をこなしながら進みます。
 天然ナメコ    登山道脇で見た天然のナメコ、他にもマスタケ
  ムキタケ、ブナハリタケ、コウタケなど
  スーパーマーケットではお目にかかれない
  キノコが足元に生えていて、みな食べられるそう
  です、それぞれ適した調理法があるようで
  分かっていないととても手を出せません。
 倒木撤去    今回作業を終えて下山途中、先頭を
  襲った枯れ木の倒木、何の前ぶれもなく
  無風状態でした、危うく直撃は
  免れましたが危ないところでした。
  これこそ頭上注意です!
 登山道整備     古道とは言えひとたび釜トンネル側の
  通過に問題があれば重要なルートとなる
  わけで、定期的な整備が必要となります。

  「古道徳本峠道を守る人々」の皆様
  お疲れ様でした。
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