2022年5月3日 ガラス入荷 |
気に入ったガラスを求めるには現物を見ないわけには行きません、コロナ禍の影響で叶わなかった ガラス作品の素材を要予約で見に行って来ました。ブルーをベースにロンデルを配したデザインです。 ロンデルはステンドグラスの原点、いつか作品として形にしてみたいと考えていました。タイミング良く 制作依頼があり、ロンデル作品制作の運びとなりました。このカラーのロンデルは在庫が無くなり次第 廃番との事で慌てて130枚発注→入荷しました。 |
可能な限りブルーのアンティークを欲しかったのですが、ガラスの卸屋さんの棚はすき間だらけです。 コロナ禍の影響で入荷がないとか、これはえらいことです、素材が入手出来なければ作品が出来ないのです。 |
これは元板サイズ、1枚だけありました。上代ごまんえん~! |
とにかくガラスのブルーは発色がきれいです。 |
棚にあったほぼ全てのアンティークのブルーを選びましたが、コロナ禍とウクライナ問題が より身近に迫り来る感じが不気味です、より早く治まりまた終結する事を願うばかりです。 |
2021年3月8日 ガラスヤットコ |
ステンドグラスを制作するための道具には、専用の物もあれば他からの流用もあります。 今回紹介する、ガラスヤットコは私の師匠である故吉田光次氏が形を起こし、鍛冶職人に 依頼して作ったものです。昔はドイツなどからの輸入品に頼るか、自分で作るしかなかった のです。この機会に記しますが、吉田光次氏は東京の大竹ステンドグラスの大竹龍蔵氏から ステンドグラスの技術を受け継ぎました。(株)大竹ステンドグラスのhpによれば、龍蔵氏は 家業であった輸入ガラスを宇野澤組ステンドグラスに納入した時に、作られたステンドグラス 作品を見て感動してその道に入り、後に小川三知氏からアメリカ技法を学んだとの事です。 実際にはコパホイルのアメリカ技法は仕事としては行っていないはずです。宮内庁や教会の 仕事など公的なものは鉛線の技法が必要であっただろうし求められたのでしょう。 宇野澤組ステンドグラスの職人さんで国会議事堂の大ステンドグラスの制作にも携わった 森勇三さんが(株)吉田ステンドグラスにお見えになった事がありました、私は下っ端でお話など とてもかないませんでしたが、たしか森さんのお弟子さんを吉田さんが引き受けて面倒見る、 といった件でしたが、今思うと ちょっした日本のステンドグラスの歴史を辿ったかのようです。 ………………………………………………………………………………………………………… |
ガラスヤットコ、正式な名称があるわけではないので、現場ではガリガリガラスを削るので 「ガリ」などとよんでいました。使い続けて徐々減って行き、最後は右端のようになるまで 使い倒すのです。 |
鍛冶屋さんから届いたものはまだ ガラスヤットコとしては機能しません。 |
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使い良い角度に調整します。 | |
要はこの角度、ガラスの上下角に引っ掛け はつる(斫る)感じで削って行きます。 現在はダイヤモンドツールがあり削る のも楽ですが、それ以前はこれだけで 仕上げていたのです。 |
私個人的には、多く使われている卓上ルーターを 手に入れる事なく現在に至っています。一番使用 頻度の多い、平面研磨機で直線はもとより、凸ライン は仕事が速い、直線を多用するランプシェードの ガラスカットには欠かせません。ただダイヤモンド ディスクは高価なのが難。 |
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凹ラインの削りはこのハンドルーター ダイアモンドディスクは市販のものを 加工して取り付けました。キルンワークで サギングの不要なミミのカットにも使え ます。※要ウエット作業 ドライでの使用は掃除機流用の集塵機が あれば埃を被らず快適作業です。 |
今はここまでは使いませんが当時は 貴重な道具として扱いました。 |
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先が削れてヤスリで調整して行けば 持ち手も狭くなり広げて調整します。 |
使うにつれ減った方が金属の鈍しが効いて使い良くなるし、何か愛おしくもなるのです。 |
2021年3月4日 フュージンググラス再開 |
7年ぶりにフュージンググラスを再開しました、写真は2012年ころ作った器です。中断した理由はいろいろ ありますが、一つには、食器屋さんにはなれなかった事、今は町中に行けば安価でセンスの良い食器類が溢れ かえっています、わざわざ高価な素材で手間のかかる仕事が受け入れられる時代ではないと感じたのです。 しかしステンドグラスを作っていると、ガラスに熱を加えて造形する行為自体は気になるのでした。再開するには モールドもオリジナルでガラスの美さ、面白さをいかに表現できるかにかかっています、多少時間に余裕ができた 事もあり気長にやって行くつもりです。 |
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中断した時期と相まってキルンが不具合となり 修理も輸入品なので、パーツの調達などにかなり 時間がかかってしまいました。 このキルンはSKUTT陶磁器窯で最高1285°C コンピューター制御でデータを入力しておけば 勝手に焼き上げてくれる優れもの。それにしても 中断までの期間は焼成データを集めるだけの 作業で終わってしまっていたので何とか形に しなければ導入した意味がありません。 もともと、素焼きのオリジナルモールドや パートドベール制作も視野に入れての選択でしたが まだまだそこまでは届いていないのです。 |
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再開初焼きとしてサンゴ―バンの アンティークグラスとブルズアイ、 試し焼きなど。 |
焼成データは揃っていますが、ちょっと甘い焼き上がりになったようです。 |
フュージングした平面のガラスを石膏型に 載せ器の形に成型するスラッピングです。 キルン内にセットした状態、ピンク色は 離型剤の色です。 |
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スラッピング終了、甘めのフュージングも 問題なし、しかし左の石膏型は一回で割れ ました、ガラスにも割れた痕が着きましたが これはこれで景色としました。 |