気まぐれガラス制作記30  2025年12月27日   星つくる人

   久しぶりに星をつくりました、今は「高ボッチの星」と命名しています、我が家の窓から眺める高ボッチ高原の空に輝く星です。
つくり続けて40年余りこの難解な造形に立ち向かって来たつもりですが難解さは今も変わる事はありません。ステンドグラスの
素材であるガラスは手作りの部分が多くてその度合が大きいほど透過する光に魅力を感じるのです。星に関してはその造形自体
全てに正確でなければ形になりません。ガラスメーカーによって違いこそあれいずれも厚みの違いや歪みなど正確さを要求される
造形の工程を思えば絶望的な素材なのです。現在一般的に目にする建築用のガラスは正確な厚みを維持した規格品で正確にカット
すれば作業ははるかに楽になるはずです、しかしその光は電球の明かりだけで魅力はないのです。星の形だけで良いのなら中国製の
ランプが六千円ほどでネットで売られています。私の星はガラスの質感と色、透過した光の輝きが全てなのです、ステンドグラスの
仕事はガラスの選択でほぼ決まり、センスと直感力が物をいう世界です。知識由来のデザインをこねくり回してもつまらないものが
出来上がるだけ!とはデザインに関してある思想家の言葉です。星の形は線一本たす事もひく事もできない究極の形と言えるのです。
出来上がれば一見正確に出来ているように見えますがそんなにうまくは行きません、そこを上手く見せるのがプロの技なのです。
基本的にコパーホイル技法を用いていますが加えてワイヤーワーク技法を駆使してスッキリした仕上げに成功しています。
組み立て工程においても内側のはんだ作業を効率よくするのにワイヤーワークはとても役立っています、一部パネルにも応用して
良い結果、面白い効果を得ています、これからも面白そうな事はなんでも取り入れて楽しみたいと思っています。
 高ボッチの星 日付とサイン
 上から 窓
 はんだ面 内側の仕上げ

                   気まぐれガラス制作記30  2025年12月26日  山のガラスパネル制作

  山登りのお好きなご夫婦の為に以前からイメージしていた「山」をガラス表現で試みます。
 参考画像1    参考画像1

  焼ける空と山のシルエット

  2016.10.16木曾駒ケ岳から南アルプス塩見岳
  の朝焼け。
 参考画像2    参考画像2

  通称「天空の滑走路」と槍ヶ岳

  2018.7.26 双六岳の登山道
まずはデザインよりガラス取りを先に、寸法ギリギリの素材です。
 ガラス取り
 メインのガラスが決まりました、これから型紙を作りレイアウトが始まります。
 メインのガラスカット
 ペイント焼き付け、50cmの棚板がギリ。
 ペイント焼き付け
 ガラスカット終了
 ガラスカット終了
 ケイム組みの工程、いかにきれいに組み上げるか!パズルのようで楽しいのです。
 ケイム組み
 組み上がり、はんだを流してパテ詰め、着色メッキと進みます。
 組み上がり
   両面のはんだを流し終えた時点で問題発覚、一部ペイント焼き付けが甘くやり直しとなりました。
まあ、修理の為の訓練と思いバラして再ペイントを施しました。単純なコンピューターのプログラムの
入力ミスでしたがまだまだ未熟なのです。
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