山岳ガイド山岳ガイド小口研治田村まゆみ山岳ガイド小口研治田村まゆみ山日記山日記4  2020年8月2日  乗鞍岳リハビリ登山

 滑液包炎の足     5月の大棚入山山行後、しばらくして足がパンパンに
  腫れた。「滑液包炎」です、長期の酷使などでばい菌が
  入ったのだろう!との専門医の見立てです。過去に同じ 
  場所が炎症した事もあって慌てることもなかったのですが、
  これでしばらくは登山はお預け、何せ登山靴に足が入ら
  ないほどの腫れです。コロナ禍の影響で予定していた
  ガイドはキャンセルになり治療に専念しました。
7月後半になり腫れも徐々に引き歩けそうになり乗鞍岳にリハビリ登山です。 
 乗鞍岳大雪渓
 大雪渓のスキーヤー    雪渓の雪は例年より早い雪解けのようです。
  相変わらず雪を求めてスキーヤーやボーダー
  で賑わっていました。
 ポール派レッスン     黙々とトレーニングに励むポール派
  他、ボーダー、モーグル派それぞれの
  技を磨いていました。
 コマクサ    剣ヶ峰へは、大雪渓口~肩の小屋ルートで稜線に
  出ました、登山道の少し先にコマクサの蕾が見えた
  ので撮影し拡大してみると、蕾が……。
  たぶん、ライチョウに食われたのでしょう!
 大雪渓稜線から    稜線から見た大雪渓とスキーヤー。
 剣ヶ峰山頂    剣ヶ峰山頂3025m
 肩の小屋へ下山    無事肩の小屋に下山、決めのポーズ。
 一週間ごの大雪渓    8月16日の大雪渓、2日にはあった右斜面の
  雪は完全に消え、左斜面も中央部分の雪解け
  が進んでいました。
まだまだ練習    まだまだ頑張るレース系スキーヤー、
  色々な練習方法はあるけれど、この雪の
  微妙なクッションは代えがたいとの事です。


                   山岳ガイド山岳ガイド小口研治田村まゆみ山岳ガイド小口研治田村まゆみ山日記山日記4  2020年5月28日  大棚入山

 水沢山登山口     塩尻の山を登る!
  今回は、水沢山
経由 大棚入山です。
  稜線を辿れば将棋頭山、木曽駒ケ岳まで
  繋がっていますがルートのない孤高の山
  です、しかし、こういった山が大好きな
  マニアックな人もけっこういてネットで
  検索すると情報は得られます。
  木曽駒高原から日義に抜ける林道脇が
  登山口です。入口に赤テープがあります、
  他にも山仕事用のテープも混在していて
  注意が必要、もちろん登山道はありません。
 誘導赤布    踏み跡も定かではありませんが赤布に
  導かれるようにひたすら直登を耐える
  のです。
   
笹の藪漕ぎ
   背丈ほどある笹薮のトンネルをかき分け
  かき分け、帰りもしんどそうだな~と、
  ちょっと暗い気分になりました。
 ルイヨウボタン    笹の藪漕ぎにうんざりしてきたところで
  稜線に出たようです、植生が変わって久しぶり
  に見たルイヨウボタン。
 稜線踏み跡    稜線に抜けると歩きやすい踏み跡が、
  昔、木曽駒ケ岳のロープウエーが
  できる前はこのルートを利用したよう
  ですが、今は廃道になっています。
 オサバグサ    水沢山までの稜線にはマイズルソウが
  びっしりと群生していましたが白い花が
  可憐なオサバグサの花も開き始めていました。
水沢山山頂     先ずは、水沢山 2003m
  赤布に導かれるように難なく頂上着。
倒木帯     水沢山を後に大棚入山へ、
  と思ったら、いきなり倒木帯
  巻くか、越えるか迷いながら
  とにかく進みます。
倒木帯通過    絶望的な景色、
 これが続くとヤバイな~
 と焦りましたが程なく終わりました。
 こんな状態が続けばかなり消耗します。
 ヤマドリの糞    倒木帯を何とか越えたところで不思議発見
  見たことあるな~、ライチョウの糞に似てます、
  しかし、ライチョウが生息できる環境では
  ありません。
 糞の位置    この辺に幾つものありました。
  帰ってから専門家に問い合わせたところ
  ライチョウと同じキジの仲間でヤマドリの
  糞でした。ライチョウの調査は何回も参加
  していて見慣れていましたが、同じ仲間の
  糞は初めて見ました。もしやライチョウが、
  移動の途中ではと、ちょっとドキッと
  しました。

トマトの肥料に        念のため持ち帰った糞のサンプルは
     我が家の菜園のミニトマトの肥料に
     利用することにしました(笑)。
 このルートはほぼ樹林帯で展望はありませんが、オオシラビソ帯に出ると1箇所、中央アルプス駒ヶ岳の絶景ポイントがあります。
 中央アルプス駒ヶ岳
 オオシラビソ帯    びっしりと密に生えたオオシラビソ
  振り返れば登って来た尾根、潜ったり
  踏み越えたり何でもあり。
 笹の藪漕ぎ    丈の長い笹薮があれば頂上間近、
  のはず。
 頂上間近の笹の藪漕ぎ    深すぎ
笹の藪漕ぎ    足元はまったく見えません、
  もう少しだ~、ガンバレ~!
 大棚入山山頂    やったー!大棚入山山頂 2375m
 大棚入山三角点    三角点確認。
 オオシラビソ帯下降    ゆっくりする気にならない笹薮の山頂を後に
  下山の大仕事、もう笑うしか無いのです。
オオシラビソ帯通過    枝や倒木の上を伝って降りる感じです。
  ただひたすら高度を下げることに集中します。
 無事下山    同ルートを無事下山。
  11時間6分の工程でした、達成感は半端ない!

                    山岳ガイド山岳ガイド小口研治田村まゆみ山岳ガイド小口研治田村まゆみ山日記山日記4  2020年5月11日  山菜山行

 山菜採り    山菜には余り興味がなくて今まではそれが
  目的で山に入ることはなかったが、今年は
  登山を楽しむ環境はなく里山をさまよった、
  結果、登山道を無視した藪漕ぎ山行となり
  自然と山菜が目に入ったのです。
 コシアブラ    人気のコシアブラ、独特な風味が魅力
コシアブラの新芽    コシアブラの新芽、いつも採られている
  枝先はコブになっています。
枝分かれ     コシアブラの木は脆く折れやすいので
  高い樹高の先の芽は取れません、地元の
  人は躊躇なく幹を切り萌芽させ何本もの
  枝分かれをつくり芽を取りやすくします。
コシアブラ    稀に風で枝が折れて落下、思わぬ収穫です。
 湧き水のクレソン    湧き水に生えたクレソン
 クレソン    野生のクレソン、生ハムと相性抜群、
  苦味の利いた生ハムサラダがお勧め!
 山菜の収穫    満足な収穫です。
  ワラビ以外のウド、コシアブラ、タラの芽は
  ウコギ科で刺があるものが多く、ウドの太めの
  毛は刺のなごり、他にハリブキ、ハリギリ
  ヤマウコギなどウコギ科で新芽は食べられる
 ワラビのあく抜き     ワラビのあく抜き。
  重曹と熱湯を注ぎ一晩置くとアクが抜け
  美味しくいただけます。
   山日記d3へ     目次へ    問い合わせへ